株式の短期売買やFXはリスクが大きく、運が悪ければ大きく損を出してしまう。かといって、定期預金に預けていても利率は最大で0.1%など微々たるもの。低リスクで確実にお金を増やす方法なんてあるわけがない。
と、当たり前のことを当たり前と思っていたのだけど、ここのところ投資信託、ETF、WealthNaviと来て、資産運用に関する情報を集めていると、にわかには信じ難いのだけど、低リターンで良ければほとんどリスクなく運用益を出す方法があるように見えて仕方がない(低リターンといっても定期預金なんかよりずっといい)
まさかと思って識者のブログやWealthNaviの運用方針なんかを読み込んでみるも、やはり低リスクだということなので、資産運用の候補として十分検討に値するものなのだろうと思う。
せっかくなので書き連ねておく。
その方法というのが、低リスクの米国ETFを購入して配当金で利益を出すというもので、候補はいっぱいあるけど、とりあえず分かりやすい「AGG」「TIP」「VYM」の3つを紹介したい。インデックス投資や米国ETFに詳しい人は「VTI」とかも挙げてくるんだろうけど、どちらかというとキャピタルゲイン狙いだと思うので除外。ETFって何ぞや?という人は、ここでは投資信託みたいなものと思っておいてもらえれば良いかな。
で、この3つのETFだけど17年6月時点で分配金利回りが2%以上。つまり保有しておくだけで、年2%以上の配当金が出るということで、後は購入したETF自体が値を下げなければ、配当金丸儲けということだ。
利回り2%程度の投資ならアメリカの場合ほぼノーリスク、という傾向があるのは、僕は理由も含めて大分わかって来たのだけど、日本で低リスクで2%の利回りを出し続けることなんて不可能だから、正直、にわかには信じがたいとは思う。まずは、以下の内容を読んで判断して欲しい。
まぁ紹介しておいてなんだけど、今はどちらかというと円安基調なので、せっかく利回り2%を達しても、数円円高になるだけで利益が吹っ飛ぶので、為替リスク、という壁だけはどうしても超えられない模様。
以下、為替リスクは無視して、紹介。
米国投資適格債券市場全般を表す指数と同等水準の投資成果を目指すETF。
経費率: 0.06%
分配金利回り: 2.48% (2017/6/28時点)
※画像はBlackRock社HPより
設定来の基準価額のチャートを見ると、上下しているようにも見えるけど、100〜110の範囲内なのでほとんど数パーセントの上下。そもそも長期で見るとやや右肩上がりで、2008年のリーマンショックでも97程度までしか下降していない。つまり元本割れを気にすることなく、2.4%の配当金を貰い続けられるということで、これは凄い。
ETFの名前に債権と入っているのでこれは低リスクなのも理解し易いかと思うけど、日本の国債なんて買っても利回りは期待できない一方で、米国ETFを通じて債権市場に投資することで安定して2%の利回りを出せるとは驚きだ。
続いてはこちら。
米国のインフレ連動国債で構成される指数と同等の投資成果を目指すETF。
経費率: 0.20%
分配金利回り: 2.66% (2017/6/28時点)
※画像はBlackRock社HPより
基準価額が2008年のリーマンショックで一時90まで低下した後、2012年に120まで上昇して、ここ数年は110程度で安定しているように見える。
物価連動債は債権に次ぐ低リスク低リターン商品で、WealthNaviでもリスク許容度が低い場合に組み入れる銘柄。取引金額の多いETFのランキングでも24位と、あまり耳にしないながらも、ちゃっかり購入されているETFのようだ。
債権よりはイメージしにくいと思うけど、アメリカはインフレ率が2%前後でずっと推移してるので、インフレ傾向に極端な変化でもない限り、やはり安定して運用益を出せるということになる。
最後はこちら。
平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイデ ィビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目的とするETF。
経費率: 0.08 %
配当利回り: 2.95%
※画像はSBI証券HPより
こちらは株式投資なのでちょっと方向性が異なるのだけど、アメリカの高配当の株式に分散投資して、元本をリスクから守りつつ、配当で利益を出そうとしているETF。
こいつだけチャートの出典元が違って、描画期間も設定来ではなくて10年だけど、安定の横ばいどころか、きれいに右肩上がりになってて、配当金によるインカムゲインだけでなくて基準価額の値上がりによるキャピタルゲインも多少狙える状況になってる。
まぁ分散投資しているとはいえ、株式投資なので、◯◯ショックなどへの耐性は債権や物価連動債には劣るだろうと思う。とはいえ、これまでの推移を見る限りハイリスク(変動幅が大きい)とは言い難いのも確かだ。
これは比較的簡単な話で、物価連動債のところで少し書いたけど、アメリカのインフレ率は2%前後で推移してきているので、2%以上の利回りが出せないと、資産はむしろ目減りしてしまうから。
100円の商品が翌年には102円になるのに、利回り1%の金融商品なんて誰も買わないから、配当利回り狙いの金融商品は少なくとも2%を超える利回りをターゲットとしているし、インフレ率が2%で推移する限り、それを達成するのも比較的簡単ということ。
例えば、米国債10年の利回りは年2.32%(17/6月末時点)なので、金融商品を取り扱っている証券会社が国債を買うだけで利回り2%は達成できる。国債の利回りがこのくらいということは、当然ながら、銀行の定期預金の金利も2%前後になるので2%でよければそもそも運用する必要すらなかったりする(参考)
ちょっと待って、じゃあそもそも米国債買うか、アメリカの銀行口座開設して定期預金すればもっと低リスクじゃない? と思った人はそれも正解だと思う。日本でアメリカの銀行口座を開設するのは簡単に調べた限りだとかなり敷居が高いみたいなので、後者はさておき、前者なら証券会社を通じて購入することは可能っぽい。
とはいえ、数年間解約できない国債よりも、好きな時に売買できるETFを通じて間接的に債権を買う方が便利だとも思うので、個人のリスクの許容度と運用の敷居の高さを考慮して、自分にあった運用方法を選択すると良いかと思う。
最後にもう一度言っておくけど為替リスクと、今後来るかもしれない◯◯ショックにことは考慮していないので悪しからず。損失を出しても当ブログは何ら保証をしません(当然)
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