こんなタイトルをつけておきながらなんだけど、WealthNaviはインデックス投資なので6ヶ月のような短期のパフォーマンスだけを見ても今後儲かるとも言えないし儲からないとも言えない。特に今年は今のところ米国株が順調に右肩上がりのため、WealthNaviの運用結果を提示してもあまり公平な結果でないのは重々承知してる(プラスであることは目に見えている) 景気がマイナス局面の場合はWealthNaviだってもちろん損失を出すだろう。
でもあえてこんな記事を書いたのは、検索ワードなんかを見てると、みんなやたらと運用成績を気にしてる、というのと、為替の影響を紹介するのにちょうど良いかなと思ったからだ。
- ドル建て : +6.61%
- 円換算 : +5.34%
かなり良い結果のように見える。念のためお伝えしておくと、月1万円ずつ積み立てているので右肩上がりになるのは当然で、グラフの青塗りの部分より青線が上回ってないと利益が出ているとは言えない。青塗り部分より青線が上に離れて入ればいるほど利益が出ていると言える。
4つあるカゴマークはETFを追加購入したタイミングだ。
内訳の方も見て見よう。
- 米国株 : +5.32%
- 日欧株 : +8.59%
- 新興国株 : +10.2%
- 米国債券 : +1.45%
- 金 : +5.73%
- 不動産 : +4.07%
軒並みプラスで、WealthNaviの掲げている期待リターン/年(米国株:6.5%、日欧株:7.5%、新興国株:8.5%)を上回る好成績を、この6ヶ月に限って言えば出しているようだ。
WealthNaviの売り機能の一つとして、最初に決めたポートフォリオ(米国株:35.0%、日欧株:26.6%、新興国株:8.5%など)が何らかの理由で崩れた場合(例えば新興国株だけ爆上げしたとか)比率が大きくなった銘柄を売り払って、比率の小さな銘柄を追加購入するというリバランスの機能がある。
今年のような安定した景気局面ではあまり起こることではないのだろうけど、実際、リバランスはなかった。動いているのを見て見たかったので残念だ。
ただ、積み立て金と分配金の金額が2万円以上貯まるとETFの追加購入が行われるのだけど、この追加購入時にはポートフォリオの最適化を目指して銘柄の選定が行われていた模様。
WealthNaviで取り扱われるETFは銘柄が固定なので、普通にそのETFを購入していたとするとどうだったか、ということを確認してみる。WealthNaviで最初に銘柄の購入が行われたのは3月21日なので、そこから9月14日までで各ETFがどのくらい上昇しているか。
米国株のETFであるVTIと、日欧株のVEA、それと参考までに世界全体をカバーするETFであるVTのパフォーマンスも見てみよう。
- 米国株 : VTI 米国株式市場全体を投資対象とするETF
- 日欧株 : VEA 米国を除く先進国のインデックスに連動するETF
- 参考 : VT 先進国と新興国まで世界中の株式市場を投資対象とするETF
- 米国株(VTI) : 6.46%
- 日欧株(VEA) : 10.7%
- 参考(VT) : 8.55%
この6ヶ月については、3月21日にETFを購入して放置しておいた方が、WealthNaviで運用するより良い結果が得られていたようだ。理由は恐らく2つ。
- WealthNaviの手数料は1%なので確実に1%程度の差は開く
- この6ヶ月は大方右肩上がりであったので積立金で追加購入をした分、パフォーマンスが下がった
WealthNaviと同様に毎月一定額を積み立てて追加投資を行っていたとすると、後者の事情は同じなので、論理的には前者の手数料分の差異だけになるはずだ。
一方で、WealthNaviの全体のパフォーマンスはドル建てで+6.61%なので、例えば3月21日に、世界の株式市場への分散投資を目論んでVTを購入していたとすると、それだけで2%近く差が開いていたということになる。外国株式市場の証券口座を持っていて、苦労なく自分でETFを購入できるような人は自力で運用していた方がお得というのは変わらない事実だろう。
ただ、この6ヶ月はどの株式指標も大方右肩上がりであったので、ポートフォリオとか分散投資とかあまり意識してなくても問題なかったけど、株価が乱高下してたり、株が大幅に下げて金が高騰するとか、そんな局面であったとすると、ちゃんとしたポートフォリを組んで分散投資をしていない限り、WealthNaviに軍配が上がるということもあるだろう。
WealthNaviはドル建てで米国のETFを運用しているので、為替の影響を受ける。
WealthNaviの最大のリスクは為替リスクである。という僕の認識はまだ変わってない。為替なんてどうなるかわからないから気にしても仕方がないし、積立投資であればある程度は極少化できるというのはわかっているのだけど、日本で暮らす以上、いつか円に換算することを前提としておく必要があるし、解約したのが円高局面であったとすると損を出すこともあるだろう。
例えばこちら、8月21日の円換算のチャートのスクリーンショット。
青塗りの部分と青線の間にほとんど差異がなく、左上のパフォーマンスを見ると+1.12%と、なんとか利益が出ているという程度にとどまっている。株価もちょっと下がっていたのだけど、それ以上に円高の影響が出ている。
下のポートフォリオ図を見て見ると、米国株と米国債券と不動産がマイナスになっている。米国株はともかく、米国債券は通常マイナスになることはないのにこの結果だ。
右下の為替レートを見ると1$=108.79円とある。WealthNaviで運用を開始した時点の為替レートが1$=111.9円であったので、3円の円高だけど、3円上がると債券の利益くらいは吹っ飛ぶということだ。
もちろん1$=100円くらいになることもあるだろうけど、そんなことになると+6%程度のパフォーマンスで喜んではいられず、円換算のチャートは真っ赤になることだろう。
これらの結果を見て、僕の思ったところをまとめると以下の通り。
- 右肩上がりの局面ではWealthNaviの真価は判断できない
- 手数料1%は確実に結果に差を生むので自力で運用できるならそれに越したことはない
- 為替の影響は大きいので短期で運用を終えるつもりなら為替リスクに要注意
- とはいえ利益が出ているとあまりマイナス面は気にならない
最後の1点は完全に僕の感想だけど、WealthNaviで運用してる人&しようとしている人は、元々面倒臭がりだろうから、プラスで運用されていると、よしよしよくやってる、くらいにしか思わないのではないかと。ただ、2点目に書いた通り、手数料1%は確実に効いてるので、自力で運用できるならそうした方が良いのは間違いない。
僕個人について言えば、WealthNaviでは60万円の頭金と月1万円の積み立てと、少額しか預けてないのもあるけど、特に運用を止める予定はない。別途、NISA口座で米国ETFも購入し始めてるので別に一本化してしまっても良いのだけど、僕は相場観のセンスがないことが良く分かっているので、今後景気局面が乱高下を始めた時に正しい判断が取れるのかという心配もあり(積み立ての追加購入をためらったり)それはそれ、これはこれとして運用していこうかと。
また定期的に結果を書いていこうと思うので、とりあえず今回はこんなところかな。
今回の記事はWealthNaviやETFについて前提知識がある人向けだったので、もし前提部分で詳しく知りたいのであれば、以下の記事を参照して頂ければ。
そもそも投資とか全然分からない、ETFって何?という方はこちら。
WealthNaviの為替リスクと手数料についてもう少し詳しく書いてある記事はこちら。
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