AmazonのPrime videoで子ども向けの作品を探していると、いかにも海外の作品ですといわんばかりの、印象的な青いウサギのようなキャラクターが森で散歩しているサムネイル画像がよく目に止まります。
タンブルリーフ シーズン1 – Amazon Prime Video
何にひかれたのか息子が延々と視聴しているので、傍らで垣間見ていると、これが結構よい作品でびびります。
Prime videoを視聴している知り合いに聞いても誰一人として見てないのだけど、正直、そこらへんの作品よりも概念的な教育に良さそうで、このまま埋もれさせておくにはもったいないので紹介記事を書きました。
タンブルリーフ(Tumble Leaf)とは?
アメリカの作品とのことで英語版のWikipediaから引用します。
タンブルリーフ(Tumble Leaf)は、2014年にAmazonプライム・ビデオで初公開されたアメリカのアニメシリーズ。未就学児のためのストップモーションアニメシリーズで(中略)遊び心のある具体的な例を通じて、基本的な科学の授業を学ぶのに役立ちます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Tumble_Leaf
これだけだとあまり面白そうではないですね。。英語版のWikipediaでも、あらすじやキャラクター紹介などは最小限で、ちょっと見てみようという気持ちにはなりそうにありません。
とはいえ具体的な内容を紹介する前に、受賞歴を見てみると、ちょっと興味が湧いてくるかもしれません。
- 第46回デイタイム・エミー賞のアニメーション、シネマトグラフィー分野での受賞(2019)
- 第45回デイタイムクリエイティブアーツエミー賞の幼児向けアニメーション・プログラムの受賞(2018)
- 第44回デイタイムクリエイティブアーツエミー賞の幼児向けアニメにおける演出分野での受賞(2017)
- 第44回アニー賞の幼児向けのベストアニメーション作品賞の受賞(2017)
アメリカの賞なのでいまいち凄さが分からないですが、例えば、幼児向けアニメ作品賞に輝いている2017年の第44回のアニー賞ですが、別分野の最優秀長編アニメ映画賞を受賞しているのは「ズートピア」や「モアナと伝説の海」です。
タンブルリーフを見たことがなくても、「ズートピア」や「モアナと伝説の海」を見たことがある人は多いと思うので、カテゴリーは違えど、その評価の程度は推し量れるのではないかと思います。
それでタンブルリーフってどんな話なの?
タンブルリーフの各話のストーリー構成はシンプルで、タンブルリーフ島の仲間たちがドタバタ劇を繰り広げる一話完結型のお話です。イメージとしては「おかあさんといっしょ」の「ガラピコぷ~」などが近いですが、ターゲットは幼稚園児なので、作品のテーマ性や作り込み具合はかなりの差がありますね。
メインどころのキャラクターは、青いキツネの「フィグ」、毛虫の友人「スティック」、ピンクのクマの「メープル」、はりねずみの「ヘッジ」。他にも「パインおばさん」や「ゴードさん」なんかも良い味を出しています。
各エピソードの基本の流れとしては、フィグが、住んでいる難破船(難破船!)の宝箱の部屋でアイテムを発見して、スティックやメープル、ヘッジとアイテムの使い方を学びながら様々な気付きを得る…といった構成になっています。
雰囲気をとらえてもらうためには実際に見てもらった方が良いのですが、Youtubeの公式チャンネルでは残念ながら英語版のものしかないようです。Prime videoだともちろん吹き替え版がありますし、セリフもかなり練られておりキャラクターの魅力がぐんぐん伝わってきますので安心して視聴できます。
個人的なおすすめポイント
1. タンブルリーフ島の作り込みがヤバい
ストーリー紹介でも書きましたが、フィグの住居が何故か難破船だったり、子どもの冒険心をくすぐる島の描写が半端ないです。
公式に怒られないよう極力、画像を転載しないようにしているので十分に魅力を伝え切れないのですが、例えばこのエピソード一覧のサムネイル画像だけを見ても、多様なシーンがあり、各々のシーンがかなり作り込まれているのが分かるのではないかと思います。クリスタルの洞窟や、ドラゴンの遺跡、海の中なども出てきますし、そもそも島に生えている植物やキノコなんかもファンタジー感が満載でヤバいです(このカラフルな植物のファンタジー感よ!)
参照:https://www.amazon.com/gp/video/detail/B018F4GBXM/ref=atv_dp_season_select_s201
シーズン301 エピソード6 「スプーン」に出てくる毛虫のお家なんかも、作りが細すぎてかなりぐっと来ますね。下記画像のフィグとメープルの背景に少し写り込んでいます。
参照:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B089XYGS82/ref=atv_dp_season_select_s301
2. ストーリーがヤバい
よくある日常劇かと思って流していたら、たまに大人でも感心するお話があったりしてヤバいです。こればかりは内容を伝えないと分からないと思うので、ちょっと2つほどあらすじを書いてみます(当然ネタバレです)
シーズン301 エピソード3「アルミホイル」のあらすじ
宝箱でアルミホイルを見つけたフィグが、月に行く夢を語るヘッジと、アルミホイルでさながら宇宙服を作って、月へ行こうと目論む。
メープルの持っている船(潜水艦)なら宇宙に行けるかも!…と乗り込んで、ボタンを適当に押してるうちに、船が動き出し、見事、月に到着! 月を散歩して、宇宙人に出会って、メープルの家に帰還。
月旅行について語る二人に、潜水艦では宇宙には行けないと冷ややかなコメントをするメープル。そこでヘッジが一言「それは実際にやってみないと分からないんだよ。一歩一歩」
二人が帰った後、メープルは満更でもない表情をしながら「月旅行ね…」とつぶやいて、潜水艦の図面を横から縦に向け「わたしならきっとできる。夢に向かって一歩一歩進めばね」と。
以上。こちらは、夢を諦めないという教訓が含まれていて、舞台も宇宙旅行というワクワクする設定なのが良いですね。
他にも因果関係とか自然の体系、循環システムを概念的に理解できるエピソードが印象深いです。
シーズン403 エピソード2「ビーズ」のあらすじ
フィグがマフィンに蜂蜜をかけようとしたら、容器が空っぽ。
蜂蜜を届けてくれるメープルの元へ赴くと、いわく蜂がいなくなったため、蜂蜜を届けられなかったとのこと。蜂蜜を手に入れるために蜂を探していると、蜂が蜂蜜を持ってきてくれなかったのは水不足で花が咲いていなかったことが原因だと発覚する。
水の出どころを探っていくと、水が届いていなかったのはポンプが壊れているからだと分かるが、そもそも川が干上がっていたせいだと気付き、川の上流へ向かうとビーバーのブックアイがダムを作っていた。
ダムは水をせき止めてはいるけど、蜂蜜とは関係ないのでは?と疑問を浮かべるブックアイに「全部つながっているんだよ」と説明し、
川の水が元通りになると、ポンプで水が汲め、花が元気に開き、蜂が蜜をとってメープルのところに届けてくれることを実演する。そして、みんなで美味しいマフィンをお腹いっぱい食べ、めでたしめでたし。
これらはあくまで一例で、他にもうんうんとなるエピソードが満載です。
実は一番のおすすめは最終話の「つのぶえ」ですが、こればかりはネタバレするわけにはいきませんので、実際に各エピソードを見た最後にご自身で確認いただきたいと思います。
3. 音楽がヤバい
これは完全に個人の好みではありますが、テーマソング以外にたまにアイリッシュ系やラテン系っぽい音楽なんかが差し込まれたりして、ハッとします。ファンタジーや冒険といえば、音楽が重要ですね。個人的にはシーズン201 エピソード8 「ゴムバンド」でかかる毛虫の羽の祭りの音楽などがお気に入りです。
通常のアニメや映画のようにサウンドトラックがあればよいのですが、単曲ならなんとか見つかりますが、一通り聞けるようなものはありませんでした。
ちなみにスタッフロールを見ると、音楽は「NATHAN BARR & LISBETH SCOTT」と書かれています。これがまた、それほど露出の多い方達ではないようで情報があまりないのですが、Lisbeth Scott氏のご本人が上げていると思われるタンブルリーフの曲集がYoutube上にありました。
ご本人の公式サイト?でも3曲ほどですが視聴できるようです。
以上、タンブルリーフの紹介でした。2014〜2019年の作品のようなので、プライムビデオでいつまで視聴できるかわかりませんが、子どもに見せるテレビ番組について悩んでいる親御さん方に、ぜひ参考にして頂ければと思います。なお、音声を英語にも切り替えられますので、英語に触れさせるために視聴している方もいるようですね。
コメント