ふるさと納税が盛り上がりを見せる中、詳しく調べずに一蹴している人によくある勘違いが「寄付金分が所得から控除される」というもの。年収500万の会社員が5万円寄付したとすると、その年の所得が495万円と見なされ、税金が495万円に対してかかってくると考えていて、大した効果がないじゃんと一蹴している人が僕のまわりにも何人かいた。
確かに、この考え方だと仮に税率が20%だとすると、100万円支払うべきところが99万円にしかならないので、寄付金の4万円分は損するわけで、お礼の品が自治体から送られてくるといっても全く喜べないのはその通りだ。
だけどそんな単純計算もできずに、1万円寄付したら2000円相当のブランド牛が送られてきた、やたーと喜んでいる人ばかりなはずがない。
そう、寄付金は所得控除ではなく「税額から控除される」のだ。
詳しい控除の仕組みが知りたければ総務省のHPでも見れば良いので、納得できる考え方だけ示すと、
(正確には20万2000円で2000円は財布から出て行くわけだったり、住民税からのみ控除されるのはワンストップ税制を利用した場合だったりするのだが細かいことは省く)
控除と聞くと保険料控除や医療費控除に慣れているので「税額から控除される」というイメージが湧きにくいけど、元々支払うべき住民税の一部を他の市への寄付金に振り替えたと考えると、ある程度は納得できるのではないかな。
ところで、お礼の品ってなんだったっけ? お礼の品は4万円寄付してくれたことに対して山形市から送られてくるもので、4万円の寄付だと大体1万円相当の牛肉とかお米(自分で選べる)になる。
勘の良い人はとっくに気づいてると思うけど、元々支払うべき24万円の支出はそのままで、1万円相当のお礼の品がもらえるのが、ネコも杓子も飛びついている、ふるさと納税というものなのだ。
(何度も言うが控除の対象になるのは2000円を超える分だけなので、正しくは2000円は財布から出て行く)
これだけ聞くと「そんなうまい話があるわけない」と逆に身構えてしまう人もいるかな。だけど何故かそんなうまい話が制度化されていて、現に世田谷区からは2016年に16億円の税金がどこかの自治体に流れてしまったりしている(多分、北海道とか東北とか九州に流れてる)。税収が少ないけど産業が盛んな自治体は大喜びだけど、世田谷区みたいな自治体は悲鳴をあげていて、お礼の品に金券や電子マネーなどの金銭類似性の高いものを含められなくなったり、徐々に制度の見直しが図られている。今のお礼の品は大体、金額換算で寄付金の1〜3割くらいだけど、ふるさと納税格差が広がって行くと、この割合も上限を定められたり見直しの対象になっていくことは想像に容易いね。
2017/4/1追記:早速見直された模様。返戻品の平均が4千円だったということだから、上限3割になるとちょっと量とかが目減りするのかもね。本ブログで紹介している豚肉と洗剤は特に影響を受けそうな模様。発表から見直しまでのわずかな期間での駆け込み需要も激しそうだ。
ふるさと納税返礼、家電も自粛要請 総務省「上限3割」基準
そう、制度の見直しが行われて旨味が少なくなってから始めても残念の一言に尽きるので、まだ始めていなくて、ここまでこの記事を読んだ人は、ぜひすぐにでもふるさと納税サイトをチェックして欲しい。まずは、いくらまで寄付できるかを計算するといい。そして、数万円の寄付が可能な人なら、お礼の品を眺めて、欲しいものがあれば1万円でも寄付して見るべき。僕も最初は抵抗があったが実際に3万円を寄付して60kgのお米を受け取ると、これ最大限活用しないと大損じゃないかと思うようになってきたから。
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